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2021/4/19ブログ
本日のテーマ【歯の欠損による口腔機能低下とその影響】
歯の欠損による口腔機能低下
8020運動で、多くの歯を保つ高齢者が増加し
80歳において20歯以上の歯を有する割合は約5割に達していると言われています。
一方で、歯の喪失は50歳代より始まっているのも事実で、
その原因の一つは歯周病によるものと考えられます。
在宅療養中の高齢者(716名、平均年齢83.2歳)の75%が
天然歯による咬合支持を失っており、
そのうち1/3が義歯によっても回復されることなく
咬合支持が崩壊した状態でした。
咬合支持が維持されていなければ、食事摂取が困難になることが容易に想像でき、
咬合支持が維持されえている方にくらべ、咬合支持の崩壊した方の低栄養リスクが有意に高く示されました。
さらに、食物の窒息事故の問題も深刻です。
窒息による死亡は不慮の事故のなかでもっとも多く、
年間5,000人を超えるといわれています、
特別養護老人ホームで行った調査では、そのリスク因子として
認知機能の低下等とともに、咬合支持の崩壊があげられました。
咬合支持維持されている方に対し、咬合支持の崩壊した方の窒息リスクは
有意に(咬合崩壊群:1.75倍)高いことが示されました。
このように、歯の欠損による咀嚼障害は低栄養、窒息の危険といった問題にも
影響をあたえることがわかります。